4月30日、地下鉄車両に落書きをしたとして、デンマーク国籍のフレデリック・エミル・パームバーグ容疑者(21)を建造物侵入と器物損壊容疑で逮捕しました。
同容疑者は、24日の真夜中に、営業終了後の東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅構内に侵入し、留置中の車両の車体側面にスプレーのような塗料を吹き付け、絵や数字を書いたようです。
「日本に来た記念に何か残したかった」というのが動機のようですが、迷惑なことですね。
このような、迷惑な落書きについて調べてみました。
モアイへの落書き
2003年、日本人青年がチリのイースター島に観光旅行に行った時のこと、モアイ像の一つに、旅の記念と軽い気持ちでサインを彫り込んでしまいました。
その青年は、チリの共有財産を傷つけたとして「国立遺産法違反」で警察に即日逮捕されました。
ケルン大聖堂への落書き
2016年6月に神奈川大学の学生2名が、同大学の課外活動で教職員引率のもと訪れたケルン大聖堂に落書きし、それをさらにツイッターに投稿するという事がありました。
後日、7月に大学は事態を把握し、当学生副学長を現地に派遣して、謝罪し、修復を申し出ました。
ケルン大聖堂側はこの謝罪を受け入れましたが、修復は必要ないと断ったとのことです。
実際、ケルン大聖堂の内部は落書きだらけの状況だそうです。
ですから、自分たちも落書きしようと軽く考えたのかもしれませんね。
(大聖堂の内部の落書き)
サンゴへの落書き
1989年、沖縄の西表島において、朝日新聞社のカメラマンが自分でサンゴに落書きによる傷をつけました。
そして、その写真をもとに、サンゴに落書きする日本人のモラルの低下を指摘する新聞記事を捏造した事件がありました。
そのカメラマンは記事を捏造してまでもスクープをとらなければならないほど精神的に追い詰められていたようです。
だからといって、その様な行為をしてよいはずはありません。
珊瑚を破損したカメラマンは自然環境保全法違反で検察庁に送致されました。
これは誰の所有でもない珊瑚に傷をつけたために器物損壊罪に問えないゆえの措置でした。
ですが、不起訴処分となり、刑事罰は与えられませんでした。
まとめ
以上のような明らかな、大きな事件として表に現れないとしても、歴史的建造物等に来訪者が落書きを残すケースはとても多いのです。
日本の一般公開されている神社仏閣・城への落書きも酷く、日本人のみならず、外国観光客からの落書きが問題視されています。
そして、落書きをしようとするその動機はさまざまですが、自己顕示欲がその根底にあるようです。
そのような利己的な考えによって、公共物や歴史的価値ある物が損なわれる事があってはならないと思います。